業界が発展する上で大事なのは、人口増加です。
(中略)
必要なのは、千人の中堅作家と、一万人の新人と、百万人の同人作家です。
(本文より)

今やラノベ作家というくくりを越えて活躍されている冲方丁氏の、いわゆるラノベ入門本。
初版が2005年6月発行なので、もう10年近く前の本なのですね。

ライトノベル・・・というか、小説を書くための基礎的な作法などを解説した本ではないので念のため。
お話の作り方、発想を広げるきっかけを得る考え方等はもちろん、著者の新人時代から積み上げた体験談、(10年前ですが)業界の内情などもかいま見えてとても参考になります。
第一章「マルドゥック・スクランブルの書き方」の中で、作中キャラ「ウフコック」が主人公に話しかけ、主人公の内情を明確にして行ってくれたとの下りで、ものすごく共感しました(笑


私自身はこれをたまたま偶然、ブックオフの(100円の)棚で見つけたもので、参考書並みに蛍光ペンで線引っ張ったり付箋貼って読み返してます。でも、書店で新品を手に取る機会は、たぶんなさそうですよね。
いわゆる「ワナビ」をターゲットにした入門本が腐るほど発行される昨今、時事ネタがどうしても絡むこうした入門本、こうした実体験に基づいた解説書こそ、電子書籍としてもっと多くのラノベ作家志願者の目につきやすくするべきだと思うのです。
ラノベの歴史を語ろうとしたら、どうしたって初期富士見や黎明期コバルト、ハヤカワ等までさかのぼらなきゃいけないんですから、そうした歴史をたどるなら、その時代に今よりも近い年代に書かれている著作の方が詳細だし、書き手が実際に当時の空気を知ってるのだから話も生々しい。
ラノベ作家を目指すひとも、そうでないひとにもぜひ読んでいただきたい一冊です。


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